2017年12月02日(土) 熊野古道伊勢路、大台町役場から三瀬坂峠を越えて瀧原宮・・・ (車、徒歩)
熊野古道伊勢路、三瀬川から三瀬坂峠を越えて里に下り瀧原宮へと至るルートを改めて歩こうと思い立ったのは昨日。それは宮川流域案内人である田村陽一さんの著書「宮川流域の遺跡を歩く」にて紹介されていた野後[のじり]城跡を訪れるためだった。この本にも「ここチェック!」で次のように記されている。
道の駅を歩き旅の基地にすると便利、あわせて旧熊野街道歩きや滝原宮を参拝したい
まさにこの言葉通りに、道の駅 奥伊勢おおだいを基点(始点であり終点として)として利用し、熊野古道を歩き伊勢神宮の別宮、摂社、所管社等を巡った。
大台町役場・道の駅 奥伊勢おおだい → 舩木神社 → 三瀬川八柱神社 → 多岐原神社 → 三瀬の渡し → 三瀬坂峠三瀬川登り口 → 三瀬坂峠 → 三瀬坂峠里登り口 → 野後城跡 → 岩瀧神社 → 瀧原宮 → (国道42号) → 大台町役場・道の駅 奥伊勢おおだい
大台町役場に隣接する道の駅 奥伊勢おおだいに駐車するとこちらを出発。
佐原交差点で国道42号を離れると左方向へと坂道を下った。その先には
第24-0008号 登録有形文化財である船木橋(登録名は旧舟木橋)が架かり、その上流側には新船木大橋、その下には大内山川が宮川へと合流していた。(右岸側の橋脚は補強工事中だった。)
船木橋を渡り終えると振り返ってのパチリ。
船木橋の途中に町の境界があり大台町から大紀町へ入った。船木橋を後にするとその先の左側にある細い坂道を登り車道に出る。左方向へ進むと程なく次の案内板にで出会う。
大紀町船木地内を三瀬川方向へ進むと紀勢自動車道の高架が見えてくる。
船木の町並みを過ぎようとする辺りに右方向へと続く坂道がある。
こちらがその坂道でここは地元の舩木神社への参道となっている。久しぶりだったので寄り道することにした。坂道を黙々と進み紀勢自動車道の高架をくぐると坂道の傾斜がさらにきつくなる。
その坂を登る舩木神社を通り過ぎてから振り返ってのパチリ。この辺りには
道路を挟んで反対側に社務所が建っている。
坂道をさらに先へ進むと(大宮町)船木簡易水道浄水場の脇を通り
最上部には役行者らが祀られている。
舩木神社付近から紀勢自動車道方向を遠望すると出発した大台町役場方向が見渡せる。
舩木神社を後にして坂道を下ると先ほどの車道へ戻った。
Cバス 船木[1班]バス停を確認すると
見事なグラデーションを眺めながら先を急いだ。
しばらくは黙々と・・・
船木地区から三瀬川地区へ入った辺りで道路の左側に踏み跡を見つけたのでそれに誘われるようにこの方向へ進んだ。
この先には三瀬川八柱神社があり、手水舎には荒削りの手水石が置かれていた。
社殿にてお参りを終えると振り返って
パチリ。コンパクトなスペースで落ち着いた雰囲気だ。
先ほどの車道へ戻ると先ほどくぐった紀勢自動車道の紀勢宮川橋を眺めた。この前後はトンネルになっている。
紀勢自動車道を後にすると分岐がある坂道が左方向へ下っている。今日は坂道を下り道なりに進んだ。この先に多岐原神社(皇大神宮 摂社)が鎮座している。
道なりに進みと周囲の雰囲気を楽しみながら
こちらの案内板へとたどり着いた。多岐原神社はここから90m先に。
舗装された坂道を下るとその中央に落ち葉が集まっていた。誰かが集めたのか、風の仕業か?それはどちらであっても内宮や外宮の参道を思い出してしまう。
坂道を下り左方向へ曲がった先がこちら。目の前には多岐原神社。
見上げればまだ紅葉の光が降り注いでいた。
お参りを済ませると
来た道とは逆方向、三瀬の渡し(宮川)方向へと下った。
砂が浮き、木々に覆われた小道を緩やかに下るとその先ではこんな光景が迎えてくれる。
河原へ出るとここが三瀬の渡し。以前は三瀬の渡し跡だったが、現在は地元の方々の努力のおかげで渡しが復活している。予約は必要だが渡しを体験することができるのだ。だから今は跡ではなく、「三瀬の渡し」。
【参考】
- 地元の方々の尽力で復活した三瀬の渡し 動画あり 2013年11月24日
水面を眺めうと黒い斑点のような影が・・・
渡しの方へさらに近づくとこれは何だろう。目印?
三瀬の渡し、多岐原神社を後にすると
[多岐原神社へ|三瀬坂峠へ]の案内板にたどり着いた。ここから三瀬坂峠を越えるために案内に従った。
Cバス 三瀬川上 バス停を左に見ながら先へ進むと
右手には「熊野古道三瀬坂峠」の案内板があり、多数の杖が用意されている。ここが三瀬川登り口だ。
峠までは道なりに進む。途中の分岐には明確な標識があるため迷うことはない。少し登り始めてから宮川方向を眺めてパチリ。
多数の[熊野古道 伊勢路]幟旗を目にしながら進むと
しばらくは舗装された道を進む。
舗装路が地道に変わるとここから山道となる。
適宜に現れる道標に導かれながら
こんな雰囲気の山道をゆっくりと進んでも少し汗ばんでくる。
周囲の雰囲気を楽しみながら
道標のおかげで迷うこともなく
三瀬坂峠にたどり着いた。
ここでしばし休憩すると
里登り口へと下った。
里側の山道は三瀬川側に比べてかなりガレている。
また、途中山道が崩れているため迂回路が設定されていた。注意、注意!
順調に下り石積みの場所を過ぎると
左手にため池が現れる。ここまで来れば登り口は目と鼻の先だ。
ため池から急な坂道をくだった先が里登り口。
その前にこんな掲示を確認。3年前のモノ(以前にも目にしたことがある)だがやはりクマはおっかない。
小さな祠を後にすると
国道42号へ出る。注意しながら国道を横断し左方向へ進むと
ここで熊野古道は国道を離れ、右方向へと進む。
何度も歩いたことなるこの場所で見つけたのは、このポスター「岩滝神社 例大祭」。これは現地を訪れないと知ることのできない情報だ。
そして、その先で今回の目的地である野後城跡が左手に望めた。
野後城跡については別の記事で紹介することとし、この先は野後城跡の見学を終え熊野古道に戻ってからである。以前に熊野古道を歩いた時には国道42号の里交差点を経由していた。しかし、本来の熊野古道は本日歩いた経路だろう。里交差点から続く道との交差点がこちら。右側から合流するのが里交差点からだ。
交差点にて振り返るとY字路の又の中央方向に野後城跡が望める。
Cバス 里[宮本スクールバス停]を過ぎると右方向に路地を見つけたので、恐る恐る入ってみると先へ続いている様子だった。
その路地の途中で振り返ってパチリ。見えているのは先程歩いていた熊野古道だ。
熊野古道を背にして進むと二宇の祠がまつられていた。そのひとつにはこんな丸い石がお供えされていた。丸い石を探し求めている私にとって、とても魅力的な形状だった。(魅力的だがお供えされているものなので、お参りしてサヨナラ!)
【参考】
- 「母さん、僕のあの丸い石、どうしたんでせうね? 」(外宮にて) 2017年07月02日
不安ながら路地を先へ進むと国道42号へたどり着いた。少し戻った辺りに先ほど例大祭のポスターで目にした岩瀧(滝)神社が鎮座している。橋を渡るとガードレールの切れ目で国道を横断した。
横断した先はちょうどこの場所だ。国道とはまったく明るさの異なる鳥居の先へ吸い込まれると
参道は直角に右へと曲がる。手水舎を過ぎると左側に社務所が建っている。
参道を進むと広い境内地の右手に殿舎が建っている。例大祭の雰囲気を想像しながらお参りを終えると
先ほどの路地を戻った。こちらがその路地から熊野古道へ戻った場所。
熊野古道を瀧原宮へ進むとおじいさんに声を掛けられた。「三瀬坂峠を越えて来られた? 荒れていなかった?」と山道の様子をかなり心配されていた。そこで「倒木はありましたが問題なく歩けました。」応え安心していただいた。
瀧原宮までまと300m。
瀧原宮の宮域を分かつように通じる道路の入口付近には石神さんがまつられている。
オミアゲしながら宮域の間を歩いていたが、ここでは足元がやけに気になってしまった。
そして、ついに瀧原宮へたどり着いた。
鳥居をくぐり、参道を進むと
御手洗場へ下った。川面には眩しいほどの木漏れ日が差し込んでいた。
御手洗場となっている頓登川を後にすると宿衛屋の裏手の石階を進んだ。
その途中にてパチリ。
参道へ戻ると先へ進んだ。ここは内宮の原型とも言われる。
こちらの指示に従ってのお参り。(月讀宮にも参拝順を示すこのような立札がある。)
お参りを終えるとまさに内宮のような参道を戻った。
宿衛屋の前にて紅葉の終盤をパチリ。
こちらで瀧原宮を後にすると
近くにあり新たに建築された奉曳車保管庫「御車舎」を見学した。(外観のみ)
その近くでオミアゲ写真。
以上で本日の巡りは終了となった。後はスタートでもありゴールでもある大台町役場・道の駅 奥伊勢おおだいへ戻るだけ。JR紀勢本線の滝原駅から三瀬谷駅まで列車利用する手はあるが、次の列車の到着は2時間半以上も先立ったので国道42号を歩くことにした。約4kmくらいなのでゆっくり歩いても一時間ほどだ。
道の駅 奥伊勢木つつ木館でトイレ休憩の後、
国道42号をひたすら歩いた。里交差点を過ぎると
右手には野後城跡を改めて遠望した。
とことこ・・・「ドライブインあら竹」付近に到着。
大宮大台IC入口交差点付近で
こんな祠を見つけた。頑丈で風雨に強い。雪だって大丈夫だ。その中には
神棚が置かれ、誰かがお参りしている様子だった。
神棚を後にするとその近くでこんなマンホール蓋を見かけた。○警のマークは初めて目にした。
そろそろ終盤だ。
ついに新船木大橋までたどり着いた。
これは行きに船木橋から見上げた場所だった。やっと戻ってきた。
大台警察署前を右へ曲がると
佐原交差点で赤信号待ち。目の前のゴールはオアズケ状態となった。
信号が青に変わると急いでゴール。寄り道ばかりのぶらぶら歩き、6時間弱は長いような、短いような楽しいひとときだった。